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太陽に最も近い山はどこ(4) : 山の標高と地球の曲率 



ここまでをまとめると、地球が近日点を通過するときの太陽の赤緯は-22°54'20"で、月によるふらつきの影響は距離は変化させるけど太陽の赤緯を変化させるほどではないので、南緯22°54'20"一帯にある高峰が、太陽に最も近い山(正確に言うと、「最も近付くことのできる山」)という訳です。
地球の半径は6378 kmですので、緯度が1°外れると971m、2°外れると3885mだけ太陽から遠ざかります。できるだけ南緯22°54'20"からの緯度差が小さい高峰を探すと…アンデス山脈中の山ということになりますね。
山名 標高 南緯 緯度差 距離増加量 補正標高
Putana5890m22.332870.5727-319m5571m
Licancabur5919m22.5102800.3952-152m5767m
Poquisi5745m22.5616700.3439-115m5630m
Chajnantor5680m22.670.246-54m5626m
Acamarachi6046m23.30.394-151m5895m
Puntas5852m23.44410.5385-282m5570m
Pular6225m24.115821.2103-1423m4802m
Llullaillaco6723m24.431641.5261-2262m4460m
Chimborazo6310m1.28283321.6227-448817 -
Everest8848m-27.59297250.4985-2320966.6m -

という表を作ってみると、最も補正標高が高い(すなわち太陽に最も近い)山は、チリのアタカマ沙漠にそそり立つ標高6046mのAcamarachi山 、のようです。この山に近日点通過日(今年は1月2日)に登頂し太陽が天頂にくる瞬間が、地上で最も太陽に近付いたとき、と言えるわけです。
ちなみに、アタカマ沙漠は日米欧が共同してALMA(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計) を建設しているサイトであり、Chajnantor山には東京大学がTAO望遠鏡 を計画してサイト調査を行っています。これらのサイトは主に大気の透過率やシーイング(星の瞬きが少ないこと)が優れているために選定された場所だったのですが、奇しくも太陽に最も近い場所のすぐそばだったのですね。





 

Posted: 火 - 1月 18, 2005 at 11:13 PM      コメントを読む/書く


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