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名前を知ることと関心の高さ 



山歩きを始めた頃は、野鳥や高山植物には特に関心がなかった私。食費を浮かそうと山菜のことは図鑑で調べたけど、食べるわけでない花はただの雑草と思っていた。野鳥もただなんとなく囀りを聴いているだけだった。名前なんてanonymousでいいと思っていた。
でも、デジタルカメラを入手して山に持っていくようになると、いくらでも気軽にシャッターを押せるので、ついつい被写体を探してしまう。登山道の脇に咲く花は格好の題材だ。名前が分からないままでは山行記録に掲載しにくいので、図鑑を首っ引きで調べて同定する。そんなことをしているうちに高山植物の名前をだんだんと覚えてきて、図鑑で見た種を山で見つける喜びを知るようになってきた。
野鳥に関しても同様。山岳展望写真の目的で望遠レンズを購入したところ、野鳥は格好の被写体になることに気付く。こんなにも美しくて行動の可愛い野鳥がいるということを知り、山行記録に載せようと写真と図鑑を照らし合わせて種を同定し、名前を覚えるようになった。
名前を知らないうちはただの「雑草」とか「鳥」。でも、名前を知るようになると、個性も分かってきて、愛着が湧いてくる。目配りも変わってくる。存在や行動がよく見えるようになってくる。もっと知りたいと思うようになる。
名前を覚えることは、愛情の第一歩なのだなぁ。 

Posted: 木 - 5月 5, 2005 at 11:48 PM      コメントを読む/書く


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