どっちが愛国者?小泉首相の靖国神社参拝に関して、中国が批判するのに反発して、安倍晋三氏が「わが国に命をささげた人たちのために靖国神社をお参りするのは当然だ」との主張している
。なるほど、一見尤もらしい見解だけど、この人の考えは底が浅いように思います。
まず、満州事変から太平洋戦争に至る十五年戦争を進めたのは日本を破滅に導く過ちであった、という観点が欠けていること。敗戦によって、日本は存亡の危機に立たされました。その政策を選択した責任者を「わが国に命をささげた人」などと呼べるのでしょうか。安倍晋三氏にとっては祖父のしたことを正当化したいのかもしれないけど、本当の愛国者なら戦争責任者を容認できないのではないでしょうか。 二点目は、侵略戦争に加担した人を「わが国に命をささげた人たち」と称賛する一方で、命がけで戦争を食い止めようと尽力した人への言及がないこと。十五年戦争が侵略であることを見抜き阻止しようとした人たちが、小林多喜二など、少数ながらいました。彼らの主張を真摯に受け止めていれば、亡国への道を避けることができたのかも知れません。真の愛国者であった反戦主義者のことを、国政に携わる人には忘れてほしくないです。と同時に、横浜事件のような言論弾圧事件の名誉回復は、一刻も早くなされるべきでしょう。私は、治安維持法の厳しい弾圧にあって反戦を命がけで主張した人たちにこそ、尊敬と感謝の意を捧げます。 三点目は靖国神社が一宗教法人であること。個人の信仰心に依って宗教施設に参拝するのはもちろん自由ですが、冒頭の安倍晋三氏の発言は靖国参拝を首相の責務だと主張しており、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」と定めた日本国憲法 第20条に反しています。 もちろん東アジア諸国への甚大な加害に触れない訳にはいかないのですが、そのことを措いて日本の国益だけを考えたとしても(そういう観点で考える人が日本には多いですからね)、靖国神社への公式参拝が問題であることが分かります。靖国参拝は表層に過ぎない行為ですが、戦争に加担した人を崇め、反対した人の名誉回復は黙殺…というのは、はたして「愛国心」と合致するのでしょうか。 Posted: 日 - 5月 29, 2005 at 09:36 PM コメントを読む/書く |
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HaloScanサーバーの時計狂いは気付いたら直っていました。米国の夏時間が終わったからかな。(2004.12.13記)
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