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ポイント還元商法の巧妙さ 



購入金額に対してある一定の率をポイントとして加算し、そのポイントで新たに商品を購入できる「ポイント還元」というサービスがある。Yバシカメラがこのポイント還元サービスを始めて人気を博し、いろんな量販店がこぞって導入するようになった、と私は記憶しています。このポイント還元、実体以上にお得感を消費者に期待させる効果があって、実に巧妙です。裏を返すと、消費者は幻想を抱いているとも言えますので要注意です。
ポイント還元が、単なる値引きと異なる点には、以下の二つがあります。

1. 還元されたポイントは、その業者でしか利用することができない。値引きであれば、浮いた現金はどんなお店でも使用できるのに。
2. ポイントを使用して商品を購入する場合には、ポイントは発生しない。このため、ポイント還元率はそのまま値引率には該当せず、値引率はポイント還元率に比べて若干小さくなります。

1.は比較的理解しやすいと思います。販売業者にとっては消費者の囲い込みの効果があり、消費者にとっては商品購入の選択肢を狭められることになります。
2.はどういうことかというと、例えば10%ポイント還元と謳っていた場合、値引率に換算すると約9.09%にしかならない、ということです。ポイント還元率をrとした場合、支払う金額1円あたり購入できるモノは、1円に加えてポイント還元されたr円ですので、(1+r)円の商品を1円で購入できることになります。従ってモノの価格が (1+r)円→1円に値引きされたことと等価ですので、値引率は1 - 1/(1+r) となるわけです。10%還元の場合、r=0.1をこの式に代入すると0.090909…つまり約9.09%の値引率です。

ポイント還元の店と値引の店とで値段の比較をする場合には、上記の式を参考にしてみてください。 

Posted: 土 - 3月 26, 2005 at 11:56 PM      コメントを読む/書く


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