自己複製のパワー唐突ですが、月面にある資源を全て採掘せよ、という大計画を命ぜられたら、どうしたら良いでしょうか。月の表面積は約1000万平方キロメートルもあります。一年間に1平方キロメートルを採掘できる高性能なショベルカーを1000台も用意したとしても、1万年もかかってしまいます。そこで一計を案じ、1年間で1平方キロメートルを採掘したらその資源を使って自分のコピーを生産する、という能力を持ったショベルカーを何とかして開発し、それを1台だけ月面に置くのです。すると、1年後には2台,
2年後には4台,
3年後には8台,…,
n年後には2n台 (powers of two)
と増えてゆき、23年後には約800万台に達します。従って、わずか24年以内に全月面を採掘できているわけです。まさに自己複製のパワーです。
自己複製できるショベルカーなんて現在の技術ではとても無理、と思われるかもしれませんが、私たちの身の回りには自己複製する機械がありふれています。それは生物、より正確にいうと遺伝子です。生物の個体は、親と子が全く同一ではない(ことに有性生殖をする種では)ですが、ゲノムのレベルではほぼ完全な複製が生産されています。媒体や機構が何であろうと、自己複製機能を持った物質が一度できてしまうと、その機能が失われない限り増え続け、世にはびこります。増殖の目的は特になくても構いません。ただ増える機能を持っているが故に増えるわけで、単なる物理現象として理解できますね。(この項続く) Posted: 水 - 9月 21, 2005 at 11:06 PM コメントを読む/書く |
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