太陽を見るのは危険です入来局で運用当番。アンテナの位置を測定する測地観測のスケジュールが自動的に流れるのを見守るだけの、楽な当番だ。ところが、朝になって突然信号レベルが過大で振り切れる警告が発生する。アンテナを見ると、副鏡の影が鏡面の中心に当たっていることから、太陽のすぐ近くの方向を向いていることがわかる。太陽の強烈な輻射を浴びて、受信機が飽和してしまったのだ。この日の太陽の方向は、スケジュールにある電波源からわずか0.75°しか離れていない。太陽の視半径が0.25°だから、その3倍しか離れていない。こんな条件では意味のあるデータは得られないし、第一入力レベルが過大で機器にダメージがあるかも知れないので危険だ。すぐに中央制御室(岩手県にあります)に電話連絡して、受信機保護のため電波吸収帯を挿入してもらった。
どうしてこの観測責任者はスケジュールを作る段階で太陽角のチェックをしておかないのだろう。「望遠鏡で直接太陽を覗かないこと」なんて、天文観測の基本的な安全事項なのに…チェックせずに前回のスケジュールをコピーして日付だけを変更したのだろうな。太陽の位置は日によって変わるから、コピーするだけでなくチェックを新たにやらなくてはいけないのに。 この影響かどうか分かりませんが、観測終了後に雑音温度を測定しようとすると、パワーメーターという電力計測センサーが壊れていました。この観測の開始前には正常に動作していたのですけどね。センサーが使えないと、正しく電波の強度を計測することがかなり面倒になります。破損したセンサーの交換だって手間がかかることです。安全に関わることで手を抜くと、却って面倒が増えるという、よい教訓ですね。 Posted: 日 - 11月 12, 2006 at 11:03 PM コメントを読む/書く |
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HaloScanサーバーの時計狂いは気付いたら直っていました。米国の夏時間が終わったからかな。(2004.12.13記)
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