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大金星のスペースVLBI 



宇電懇シンポジウムの懇親会パーティ中に、ボスの携帯電話に嬉しいニュースが飛び込む。実はこの日、某宇宙機関で次期衛星計画の理学系ミッション選考が行われていて、我らがスペースVLBI計画 と、X線天文衛星計画とで、どちらを選出しようかと5時間にも渡って会議が続いていたのだ。昨年9月の提案から4ヶ月以上にも及んだ選考の結果は、「理学系ミッションとしてはスペースVLBI計画を推す」というもの。大変な驚きだ。何しろ相手はこれまでに6機の衛星を打ち上げてきた、実績も体制も横綱級のX線グループ。それに比べれば私たちは小さなグループで、「はるか」を成功させたとはいえ、とても有利な状況とは言えなかった。実際、2年前の提案時の選考では私たちは敗れていた。それが諸般の事情でチャラになり、ここにきて土俵際で大逆転なのだからすごい。パーティは歓喜に湧きました。
私はスペースVLBI側の人間ですが、X線天文衛星計画にももちろん魅力を感じています。ブラックホールの観測には、撮像に優れたスペースVLBIと、分光に優れたX線衛星が両輪として機能するはず。同時に観測できるように運用期間が重なることを願っています。
それから、この選考はあくまでも「理学系としては」という但し書きがつくもので、この後に工学系ミッションのSolar Sailとの対決が待っています。つまり、決勝進出をはたしたということ。引き続き予断を許さない状況です。 

Posted: 水 - 2月 1, 2006 at 10:55 PM      コメントを読む/書く


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