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泡と消えたスペクトル線 



今日がGreen Bank Telescope観測の最終回。といっても台湾在住のSさんに観測に行ってもらっているので、私は三鷹からネットワーク越しに様子を見守りました。今回の課題は新発見(?)のスペクトル線を検証すること。それには、赤方偏移の異なる天体に望遠鏡を向けて、同じ周波数で観測してみればよい。もしそのスペクトル線が本物なら、赤方偏移分だけ周波数がずれるはずだから、同じ周波数には現われない。一方、もし観測装置の特性で生じるゴミだったら、同じ周波数に現われるはずだ。結果は…嗚呼、同じ周波数に出現しました。したがって、ゴミであったことが判明。ここ2ヶ月ほど、大発見かと思って浮かれていたのに、幻と消えてしまいました。まあ、観測屋稼業にはこういうことも付き物。あきらめましょう。ろくな確認をせずに発表して信用を失う、なんて羽目に陥らなくてよかった。 

Posted: 木 - 1月 12, 2006 at 11:26 PM      コメントを読む/書く


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