さよなら、「はるか」1997年2月12日の打ち上げ以来8年余にわたって活躍してきた電波天文衛星「はるか」と、いよいよお別れの日がきた。昨年から姿勢制御用のリアクションホイール2機が不具合を起こして姿勢を崩していて、ずっと再生を試みていたけど、もうこれは諦めるしかないということで運用を終了するに至った。管制室で「はやぶさ」運用グループの脇に関係者が集まり、最後の運用を見守る。計画主任のH先生が、最後の停波コマンドを打つと、テレメトリーは消失し、「はるか」は物言わぬ機体となった。
これまでクェーサーや電波銀河の詳細な画像 を撮ってきた「はるか」とも、これでお別れと思うと感慨深い。この計画を初めて知ったのは、大学の3年生でS教授による集中講義の中でだ。その時はまだ予算も獲得できていない構想段階だったけど、宇宙に飛ばす人工衛星に積んだ電波望遠鏡と地上電波望遠鏡とで干渉計を組むなんて、なんて野心的な挑戦だろうと興奮した。大学院の入試では「スペースで天文観測をする意義を述べよ」という設問があり、普通に考えれば「大気吸収がない」「星がまたたかない」と答えるところだけど、「地球直径を越える基線長の干渉計を作れる」と答え、たぶんそれが選考教官の眼に止まって入学でき、この業界に入れたのだと思っている。職に就けたのも学位を取れたのもこの計画のおかげだ。たくさんの観測をさせてもらい、楽しませてもらいました。ありがとう、はるか! 運用は終了したけど、「はるか」は遠地点21,000 kmの楕円軌道を半永久的に回り続けます。地球には落ちてきません。客観的に見ればスペースデブリ(宇宙ゴミ)となったわけです。でも、将来「はるか」が世界遺産に登録され、軌道上へと見学にいく宇宙ツアーが企画されるようになる…というのが私の夢です。 Posted: 水 - 11月 30, 2005 at 11:59 PM コメントを読む/書く |
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HaloScanサーバーの時計狂いは気付いたら直っていました。米国の夏時間が終わったからかな。(2004.12.13記)
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