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いよいよ観測 



朝食の頃にちらつく小雪は風花のようで、すぐに止んで快晴となった。気温は0℃前後で寒い。今夜はもっと冷えるそうで、60時間予報でも大気の雑音温度が20K以下と期待できそうだ。観測指示書を何度もチェックして、観測に備える。何しろ、2週間前の観測ではトラブル続きだったから、今回は抜かりのないようにしなくては。
日も暮れていよいよ観測時間。気温も-8℃に下がってきて風も3m/s以下と弱く、絶好も観測条件だ。「フレンド」(観測者の支援をしてくれる科学者)のKさんの手ほどきを受けて書き上げた観測指示書を実行。まずは較正天体に向けて指向方向のチェック。ちゃんとスキャンのパターンが出るものの、出力レベルが不安定な振動を起こしている。いろいろ調べると、周波数変換するための基準信号がきちんとロックしていないようだ。スキャンが始まる直前までは安定だったのに、どうやらドップラー追尾するとダメなようだ。仕方なくドップラー追尾をオフにして観測再開。ドップラーの補正は後処理で何とかしよう。
指向方向や焦点合わせが終わったらいよいよ分光器を使って目標天体のスペクトル観測。4分間のスキャンで簡単に信号が検出できて感激。とても質の良いデータが得られ、満足です。
観測終了後に、採れたデータを積分して簡単な解析をしていたら、おお、予期せぬスペクトル線も検出できているようだ。ずっとこの線をいろんな望遠鏡を使って探してきて、「なんで見つからないのかなぁ」と不思議に思っていたのだけど、出るじゃん!まだ検証が必要な段階だけど、ワクワクしてきました。


 

Posted: 木 - 11月 17, 2005 at 04:58 AM      コメントを読む/書く


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