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タイタンの風に舞う探査機を追いかけて 



某宇宙機関にて、Gさんの講演を拝聴する。ESA(欧州宇宙機関)が打ち上げた土星探査機「カッシーニ」の子機「ホイヘンス」 が、今年の1月14日に衛星タイタンに着陸するという偉業を成し遂げたのは記憶に新しいこと。そのとき、ホイヘンスが放射するわずか2.3ワットの電波を地球上の17台の電波望遠鏡で受信し、VLBIという干渉計の技術を使って、ホイヘンスがタイタンの風に流されて降下していく軌跡を測量した。最終的に、1 kmの精度で着陸地点を測定したというのは凄いことだ。
VLBIは日本の火星探査機「のぞみ」や小惑星探査機「はやぶさ」の軌道決定にも重要な役割を果たしている。今後、水星探査ミッションのBepiColombo計画 でも、水星上で3mの精度で位置計測をめざすという。「VLBIは太陽系全域でGPSの精度で位置計測を可能にする技術だ」というGさんの締括りの言葉が頼もしかった。 

Posted: 火 - 10月 11, 2005 at 10:29 PM      コメントを読む/書く


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