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無限と連続 



最近読んだ本というわけではないですが、遠山啓の名著「無限と連続 」の紹介です。集合論や群論は数学の基本的な概念なのですが、抽象的で分かりづらいためか、学校教育ではほとんど教えられません。ですが、計算能力を身に付けるより、こちらの方がずっと面白くて好奇心を刺激されますよ。例えば、自然数と整数、どちらが沢山あると思いますか?自然数とは1, 2, 3, … と、1を何回か足してできる数のことで、整数は…, -3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, …と、自然数同士のたし算・引き算でできる数のことですね。自然数にはないゼロや負の数が整数にはあるから、整数の方が沢山あると思いますか?でも、カントールの集合論が導く答えは「どちらも同じ」なんです。信じられない!と思う人は、ぜひ読んでみて下さい。「そんなの当たり前」と思った方は、カントールの集合論をどこかでご存知なのでしょうね。カントールの集合論は、有理数(分子と分母が整数になっている分数)の個数も自然数のそれと同じである、と帰結します。さらに、実数は自然数より多い、実数より個数の多い集合がある。無限集合には無限の階層がある…という驚くべき定理が派生します。初めて読んだときは、数理の深淵をのぞき込んだような気がしてクラクラしました。
今日はあまりに集中力を欠いて自己嫌悪に陥る日でして、そんなことをここに書いても楽しくないので、過去のネタを引き出して書き記しました。 

Posted: 金 - 11月 19, 2004 at 11:56 PM      コメントを読む/書く


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