映画評:「チェスト!」鹿児島に実在する清水小学校(映画の中では清水原小学校)を舞台にした物語「チェスト!」
を鑑賞。
正義感あふれる人気者の小学6年生吉川隼人は、カナヅチという人に言えないコンプレックスを抱えるなか、学校行事の錦江湾横断遠泳 (4.2 km) が迫って困る。そこに東京から矢代智明が転校してくる。クラスと歩調を合わせずに遠泳の参加を拒否する智明を不快に思い陰湿な態度をとる同級生たち。しかし、過敏性腸症候群を持ちイジメの対象になっている成松雄太がプールで溺れかけているところを智明が身を挺して助けるところを目撃した隼人は、智明に土下座して泳ぎを教えて欲しいと頼み、雄太の家のプール(露天風呂だけど)や学校プールで泳ぎの練習をするうちに打ち解けてゆく。智明がクラスメートと迎合しないわけや、エリート学級委員の牟田敦美の家庭問題に根ざした心の傷、雄太の意外な芯の強さなどがハプニングを通して露呈していくうちに、クライマックスの遠泳大会でそれぞれの心の問題を止揚させてゆく…。 映画は夏の日差しがまぶしい鹿児島を舞台として画面に明るさがあふれ、随所に小ネタのユーモアを織り込んでいて、見ていて楽しいです。そんな中にもホロリとくるシーンが盛りだくさん。カナヅチの悩みを持ちながらも「和して同ぜず」の精神で仲間の和を広げる隼人、父親が会社から理不尽な仕打ちを受けたことで人間不信のまま鹿児島にやってきた智明、体の弱さからイジメられながらも耐える雄太、母親の愛情に飢渇するなか自分のことしか見えなくなる敦美などの、葛藤を持った子供たちが成長していく様子が、見どころがあります。先生役の松下奈緒が歌う主題歌も耳に残ります。 シリアスな縦糸とユーモアの横糸が織りなす見事な物語…後で調べたら日本映画エンジェル大賞を受賞していた、というのも頷けます。鹿児島では先行上映で、全国上映は4月19日からとのことです。元気になりたい人にお奨め。 Posted: 日 - 3 月 9, 2008 at 10:47 PM コメントを読む/書く |
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HaloScanサーバーの時計狂いは気付いたら直っていました。米国の夏時間が終わったからかな。(2004.12.13記)
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