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夜空はなぜ暗い? 



Edward Harrison(著)・長沢 工(訳)「夜空はなぜ暗い? 」(地人書館)を読了。一見当たり前に思えるこの命題、あなたは答えられますか?
「太陽が沈むから」というのは答えとしては不十分。太陽は沈んでも、数えきれないほど多くの星々(その一つ一つは太陽と同じように輝く恒星)が夜空を埋め尽くしたら、全天を太陽が埋め尽くすかのごとく眩しい空になるはず。
「星は遠くにあるから」…というのも説明としては不十分。遠くに行くほど個々の星の光は暗くなるけど、星の数も増えます。星1個あたりの光度は距離の-2乗で減りますが、星の総数は距離の3乗で増えるので、十分に遠くまで見通すと全天を星が埋め尽くしてしまうはず。
この問題は、「オルバースのパラドックス」として、昔からの難題だったのです。解決したのはつい50年ほど前のこと。この本は、解決に至るまでのいろんな人の思考を紹介しては、「それぢゃダメなんだよ」と否定して、最後に納得できる論理に行き着くまでの過程を紹介していて面白いです。
さて、正解はわかりますか?ネタばれを防ぐため、ここには書きません。近いうちに、書評を某雑誌に書きたいと思います。 

Posted: 木 - 3月 10, 2005 at 11:37 PM      コメントを読む/書く


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