金 - 6月 15, 2007

人事課の石頭 


K大学人事課との電話でのやりとりです。愚痴ですのでヒマでない人は読み飛ばした方がいいでしょう。一字一句同じではなく、要約しています。

人事課「望遠鏡運用担当の非常勤職員への通勤手当についての通知です。バス運賃の15%割引分が支給されますので、非常勤職員にその旨お伝え下さい」
私「バス代が全額でなく、85%しか出ないのは何故ですか?」
人「いわさきICカード を使って5万円の積み増しをすれば、15%の割引が適用されるからです」
私「その『いわさきICカード』はどうすれば買えますか?」
人「天文館の山形屋バスセンターで買えます」
私「通勤路の途上に無いのですが、そこに行くまでの旅費は?」
人「出ませんよ」
私「では、非常勤職員にとっては、自腹で行くしかないということですね」
人「規則ですから」

電話ではここで一旦引き下がったが、人事課の言う規則とは何なのか後で調べてみた。人事院規則9-24(通勤手当) によると、第6条に

普通交通機関等(新幹線鉄道等及び橋等以外の交通機関等をいう。以下同じ。)に係る通勤手当の額は、運賃、時間、距離等の事情に照らし最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤の経路及び方法により算出するものとする。

とある。で、望遠鏡運用の非常勤職員のように出勤日が週に1日の場合には定期券を使うのは合理的でなく、回数券の使用が「最も経済的かつ合理的」となるでしょう。そのようなケースについても具体的に第8条第二項に

回数乗車券等を使用することが最も経済的かつ合理的であると認められる普通交通機関等 当該回数乗車券等の通勤二十一回分(交替制勤務に従事する職員等にあつては、平均一箇月当たりの通勤所要回数分)の運賃等の額

と定められています。「いわさきICカード」は回数券の扱いですからそれを使うことは確かに正当なことですが、「15%引きの額」というのはウソだったのですね。うーむ、人事課がここまでセコイとは驚きです。
仮に第6条の精神を最大限尊重したとしても、「いわさきICカード」で15%の割引を得るためには5万円の積み増しが必要なんですけど、通勤費はどんなに頑張っても年額5万円には達しないので、15%割引の額が「最も経済的かつ合理的」とは思えません。

非常勤職員という立場の弱い人をいじめて、「通勤手当を15%節約できた」と仕事をした気になる人事課職員って、一体何者なんだろう?こんなことをしている人件費のムダや研究時間の損失の方がずっと大きいと思うのですけど。 

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月 - 10月 30, 2006

高価な卒業証書 


「高い授業料を納めたのに、必要な授業をせずに済ませるなんてどういうことだ!足りなかった授業を受けさせろ!」
という怒りなら理解できるのですが、
「補習を受けるなんてイヤだ!」
と不満を口にする高校生が多いのは不思議だ。
学校って、勉強するところではなく卒業証書をもらうために行くところなのかしら?
勉強がイヤなら、無理して学校に行かなければいいのに。入学したときの気持ちなんて、憶えているかなぁ? 

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月 - 10月 9, 2006

幼稚な火遊び 


疑心暗鬼と孤独に打ち震え、
誰も信じることができず、
常に攻めてこられる不安に駆られ、
核力しか頼ることができない哀れな権力者さん。

核の火遊びによって、あなたの不安は解消されましたか?
むしろ増大したのではないですか?

あなたと同じように、幼稚な火遊びで不安を解消しようという人が
私たちの島にも増えていくことが、私には心配です。 

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水 - 8月 30, 2006

教育における利得とは 


入試の現場に立ち合って疑問に感じるのは、試験の点数が高い受験生だけを受け入れる、ということ。研究成果や優秀な人材輩出で大学が評価されるから、大学が優秀な学生を欲しがるのは当然のように思われています。
しかし、「入りがよければ出もよい」というのは、大学の手柄とは言えないのではないでしょうか。京都大学名誉教授の森毅さんは、「教育とは、アホを入れて賢くすること」と言っていました。教育事業を人間への投資と考えれば、その利得は [出 ÷ 入] で表せるでしょう。利得を大きくするには[出]を大きくする方向性だけでなく、[入]を低くする方向性もあっていいのではないでしょうか。あるいはパフォーマンスで表すなら [(出 - 入) ÷ コスト]という指標でもいいでしょう。
大学評価を成果の絶対値だけでなく、パフォーマンスで表すことはできないものでしょうかねぇ。 

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火 - 5月 9, 2006

望遠鏡運用は「研修」なの? 


勤務先の事務担当係長から、「4月の勤務表にある望遠鏡運用のための『出張』を、『研修』に書き換えて再提出せよ」と電話で指示される。毎週望遠鏡の運用当番のために、車で1時間ほどの場所にある電波望遠鏡へと出かけて1泊しているのだが、それが「出張」でなく「研修」だというのだ。
「『出張』と『研修』の違いは何ですか?」
と問うと、
事「『出張』は旅費がでるけど『研修』は出ません。財源が無いので研修にしてください」
私「公用車で移動しているのだから、旅費は発生していないのですけど」
事「1泊しているので、宿泊費と日当が発生するのです」
私「ホテルに泊まっているわけではなく、観測局のソファーで寝ているので、宿泊費も必要ないですよ」
事「でも、規則で宿泊費と日当を支出しなくてはいけなくなるのです。そんな財源はないので『研修』にしてください。これは学部長からの指示なのです」
なんてやりとりになった。まあ、財源がないという状況は理解できる。しかし、業務として運用当番に出かけているのを「研修」にしてしまうと、他の様々な規則に反してしまうことを、事務は理解しているのだろうか?
私「『研修』だと、就業規則によると本務ではないという扱いですよね?望遠鏡運用は本務ではないのでしょうか?本務でないことに公用車を使うと、公用車使用規則に反しませんか?それに、万一事故があったときに労務災害に認定されないことになりませんか?運用当番を「研修」扱いにすることについて、労働基準監督署にはどのように説明されているのでしょうか?」
事「ともかく学部長の指示ですので、学部長と話をつけてください」
と言われたので、学部長にも同様の質問をした。その結果、いろいろ面倒があったようだが、最終的には「出張」扱いにして、宿泊費・日当は調整によってゼロにするという方針に落ち着くようだ。
紆余曲折を経たものの、妥当な線に落ち着いてよかった。 

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日 - 12月 4, 2005

Y染色体原理主義 vs ミトコンドリア原理主義 


皇室典範に関する有識者会議」が女系天皇認めようという答申 をまとめたことに対して、「万世一系断絶の危機 」だとして反対している人もいるという。「万世一系」を信奉する人たちは、「Y染色体は父方から男の子のみに受け継がれるのだから、女系天皇を認めることは神武天皇以来受け継がれてきたY染色体が途絶えてしまい、万世一系が崩壊する」と危機感を抱いているそうだ。天皇制は宗教だと認識している私にとっては、天皇信者の人たちが何を信奉していようとどーでもいいことなのですが、遺伝について誤解を元に議論されているのが気になったので、おせっかいな一言。

■基本的に生物は皆「万世一系」です。誰にも両親がいて、その両親もさらに両親がいて…と祖先に繋がっているのですから、万世一系でない人などいません。
■Y染色体は、ヒトが持つ46本の染色体のうちの一つに過ぎず、しかも性の決定の他には大した遺伝子を持たない小さな染色体です。他の大多数の染色体は、男系だろうが女系だろうが世代毎に交雑していきます。Y染色体だけをもって万世一系の根拠とするのは、無理があります。
■Y染色体は男系を維持している限り神武天皇以来不変…だと思ったら大間違いです。確かに他の染色体に比べれば、世代の経過に伴う変化は少ないでしょうが、それでも不変な染色体なんてありません。染色体はDNAが折り畳まれた集合体です。例えるなら、遺伝子を野球選手とすると染色体はチームです。普通の染色体は世代毎にチームの半分の選手がトレードで入れ替わるけど、Y染色体のメンバーは入れ替わらない…と万世一系信者は考えるようですが、突然変異やウィルス感染などによってY染色体の遺伝子も入れ替わります。いわば、選手がある日ケガした(突然変異)とか、替え玉とすり替えられた(ウィルス感染)なんてことが起こるのです。

というわけで、Y染色体だけを取り立てて「万世一系」などと男系の正当性を主張するのは、科学的に見ればトンデモなことで、まさに信仰というものでしょう。まあ、キリスト教における十字架、イスラム教におけるコーラン、仏教における仏像など、宗教が何かの象徴を大切なものとして崇め奉る(だけど信者以外にはとるにたらない)ということは間々ありますから、Y染色体を信奉するのも同様のことと理解できますね。
それでもY染色体原理主義から抜けられない人には、ミトコンドリア原理主義の人がきっとお相手をしてくれることでしょう。ミトコンドリアは細胞内に共棲して好気性の代謝を行うバクテリア(ちゃんと遺伝子も持っています)で、母方からしか遺伝しません。Y染色体よりずっと、個体にとって重要な役割を果たします。ミトコンドリアが代々受け継がれるように、女系こそが「万世一系」に欠かせないのだ、と主張する人に対して、男系を主張する人はどう反論するのでしょうね。(ミトコンドリア遺伝を挙げてY染色体原理主義がナンセンスだと考える人はいるかしら、と検索してみたら、立花隆さんの秀逸なコラム を見つけましたのでご紹介します。)さらに、「現代においてはミームに比べれば遺伝子など取るに足らない。世襲にこだわらず、天皇家の風習や伝統を正し理解し実践できる者こそ後継ぎに相応しい」と主張するミーム原理主義者がいてもおかしくないですね。 

Posted at 11:45 PM     コメントを読む/書く

土 - 10月 8, 2005

ローテクスキミング 


S銀行を名乗る女性から電話を受ける。私が口座を持っている銀行の名称だ。ある取引に関して連絡をしたいとのことで、「まず本人確認のために口座番号と暗証番号をおっしゃって下さい」などと言う。え、銀行ってそんな重要なことを電話で言わせるの?あなたは私の確認ができるかもしれませんが、そもそもあなたは本当にS銀行の行員なのですか?他人の口座の暗証番号を盗み取ろうとしている詐欺師なのか、私には峻別することができないので、「そんな大事なこと、電話では申し上げられません」と答えた。すると相手は、「では、お客様からこちらに電話をおかけください」と言う。まあ、それなら詐欺師に繋がることはないでしょうから多少安心だ。キャッシュカードに書かれた電話番号にかけ、音声ガイドに従って進むと、さっき電話をかけてきた女性に繋がった。よかった、詐欺師ではなかったのですね。というわけで無事用件を済ませることができた。
それにしても、最初の電話で暗証番号を求めるのはあまりに不用意でしょう。振込め詐欺やスキミングがこれだけニュースで報じられているというのに、銀行員が危機意識を持っていないとは驚きだ。この銀行からは預金を引揚げた方がよさそうだ…大した金額を預けているわけでもないですけどね。 

Posted at 10:58 PM     コメントを読む/書く

日 - 9月 25, 2005

不正のチェックも大切なこと 


実験結果を改竄したり捏造した「研究成果」が相次いでいる という。「実験データは廃棄した」なんて言い訳をしているけど、それでは実験をしていないのと同じことじゃん。成果の捏造は科学者としてあるまじき由々しき事態で、一研究者として恥ずかしく思うと共に、データを解析して発表できるようにするまでには最新の注意が必要だと、自分を戒めなくては。読売新聞の社説では、「研究競争が激化していることが、事態を悪化させている可能性もある」と主張している。しかし、研究成果の捏造は昔からある根の深い問題で、今に始まったわけではない。研究者が第一発見者をめざして競争するというのは自然なことだし、研究資金やポストの獲得競争だって科学の水準を向上させるには必要なことでしょう。第一発見者と二番煎じでは、達成感も周囲の評価も雲泥の差なのだから、功を焦る気持ちは理解できる。
では、不正を防げないのは何が問題なのでしょうか。私は、他者の研究結果をチェックするという仕事が過小評価されていることが原因だと思います。研究論文が雑誌に掲載されるには、査読者(レフェリー)によるチェックをパスしなくてはならないのですが、レフェリーは匿名ですし無償なので、全く割に合わないのです。自分の研究時間を割いて懸命にチェックをしたところで、著者に恨まれるのが関の山です。査読は雑誌編集者以外の誰にも分かってもらえない孤独な仕事で、レフェリーの良識だけに委ねられているのです。これでは、チェックがおろそかになるのも無理はないでしょう。査読を斜め読みで済ませて、自分の研究時間を確保した方が、自分の成果は挙げられるもの。
良い査読には相応の評価を。それには、レフェリーを複数にして、レフェリー同士のピアレビューを行うべきだと考えます。さらに、レフェリーは可能な限り匿名でなく掲載後に公表するのがいいでしょう。そうすれば、不正を見抜けなかった場合にレフェリーも批判されるようになりますから、チェックするときの緊張感も増すと思います。 

Posted at 11:54 PM     コメントを読む/書く

日 - 9月 11, 2005

不公平な選挙 


期日前投票を済ませていたのですが、あまり天気がよくなくて山歩きをしなかったから、今日投票してもよかったな。それにしても、一票の格差が最大で2.18倍 もあるのをほったらかしで選挙を実施するなんてひどい。参議院の5倍を超える格差に比べればましだけど、それでも2倍を越える格差は容認できません。で、前回の参議院選挙の時に主張した、全選挙区を通して得票数の多い順に当落させていきましょう 、というのを今回も言うわけですが、さらに1歩進んで、国会本会議での議決の際には、議員がみな同じ一票を持つのでなく、選挙区の有権者数と同じ票数を持つ、というようにしてはどうですか。有権者の多い選挙区で選出された議員は、それだけ多くの人の代表者であるわけだから、国会での議決権もそれに比例して重くするのが公平だと思うわけです。比例区選出の議員は、ブロックの有権者数÷定数ということで。 

Posted at 11:46 PM     コメントを読む/書く

日 - 8月 28, 2005

喫茶店における電力料金とは 


某日本茶喫茶店で夏休みの宿題に没頭。3時間ほど経ってから勘定を済ませようとすると、1,500円だと言われる。え、抹茶アイスクリームと玉露芽茶で1,200円のはずでは?聞き直すと、300円は電気代だという。
確かに、ノートパソコンを持ち込んで電気を使わせて頂きました。でも、事前に「電気を使わせてもらってもいいですか」と伺って、「どうぞ」と言って下さったではないですか。そのことを指摘すると、「でも、電気代はウチが払うんですから」という。
あのですね、電気代といってもせいぜい10円もしないでしょう(*注)。それに、無断で使ったわけではないのに。不意打ちを喰らった気分だ。
「それなら、最初に電気代を取ることをおっしゃって下さい」というと、「では、1,200円で結構です」と言う。何だか不承不承な表情をされて後味が悪いなぁ。これまで何回か電気を使わせてもらってきたけど何も言われなかったのに…お店にとっては電気を使われたくなかったのですね。それとも、長居されるのが困るのかしら。でも、常に空席があったし、私も追加注文をしていたから、客の回転を妨げてはいないと思うけどなぁ。
結局電気代は払わなく済みました。とはいえ、今後ノートパソコンを持ち込んで使うわけにはいかないのでしょうね。今まで何回か原稿を書くときによく使わせてもらったし、玉露が美味しいお店で気に入っていたのに、残念です。

*注) 私のノートパソコンの最大消費電力は65Wです。平均電力はそれ以下なのですが、仮に65Wで3時間使ったとしても高々0.2 kWhにしかなりません。電気料金は契約内容と月々の消費電力量によって異なりますが、第三段階料金としても21.13円/kWhですから、せいぜい4.23円の電気料金です。とっさにこのような計算をしたわけではないけど、300円の請求はいくらなんでも高すぎます。「30円」と言われたら笑顔で払っていたことでしょう。 

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火 - 7月 19, 2005

打ち水って地球温暖化を促進させるのでは 


梅雨が明けて真夏日が続く。こんなときに冷房を使ったら、電力消費でCO2は排出されるわ、室外機から熱は排出されるわで、地球温暖化に拍車をかけるであろう。その対策として、打ち水で気温を下げようという運動 があるらしい。「地球温暖化に対抗する地上最大の社会実験」というキャッチフレーズを掲げているが、物理的には疑問だらけだ。打ち水によって、局所的には温度を下げることはできるだろうけど、地球全体としては温暖化が促進されるのではないだろうか。その理由は以下の三つ。

1. 地球温暖化を防ぐには、地球から宇宙空間へ捨てる熱を増やすしかない。宇宙は真空なので、その手段は放射冷却だけだ。放射冷却で輸送される熱量は物体の絶対温度の4乗に比例するので、高温の領域ほど効果的に熱を捨てることができる。打ち水で地面の温度を下げると、放射冷却の効率が低下し、熱がこもることになるだろう。
2. 打ち水によって熱量は局所的には減るかもしれないが、地面と水とを合わせた熱の総量は変化しない。地面の熱が水蒸気に移動し、エントロピーが増えるだけだ。平たく言えば、蒸し暑くなるだけ。
3. 打ち水によって発生する水蒸気は、CO2なんかよりずっと強力な温室効果をもたらす。水分子は電気双極子モーメントを持つので放射に対して光学的に厚くなりやすく、放射冷却を妨げて温室効果をもたらすだろう。

もちろん、局所的に人が暑さを凌げればよい、という考えは間違っているとは言えないので、打ち水をやめろと言うつもりはありません。電力を使って冷房をするよりはマシだと思います。でも、「地球温暖化に対抗する」というスローガンはマユツバモノだ。打ち水は地球温暖化を促進させるけど、この暑さを凌ぐために仕方なくやるんだ、という意識を持って控えめに打ち水するくらいがいいのではないでしょうか。

…てなことを「特定非営利活動法人 日本水フォーラム」にメールでお問い合わせ(もちろん表現はオブラートに包んだ上で)してみました。我ながらヒマだなぁ。さて、どんな反応が返ってくるかしら。 

Posted at 09:22 PM     コメントを読む/書く

金 - 7月 8, 2005

レジ袋有料化に賛成 


食料品店などで買い物をすると渡されるレジ袋を有料化することが検討 されている。資源の無駄遣いやゴミの量が減ることが期待できるので、大いに賛成です。
あのレジ袋というものは、油断しているとたくさん溜まってしまい、良心の呵責を感じるようになるので、私は布袋を持ち歩き、買い物時に利用するようにしています。折り畳み式の布袋ですので、使わないときはコンパクトに畳めば邪魔になりません。ところが、布袋を持っていてもお店ではレジ袋を渡そうとするのですよね。「袋は要りません」と毎回断るのですけど、店員さんに怪訝な顔をされることもしばしばです。
私がときどき行くスーパーマーケットでは、「レジ袋はいらない」というとスタンプを捺してくれて、20個集めると100円還元される、というサービスをやっているので、これまでに私は1,000円以上を還元してもらいました。そういうスーパーマーケットでも、レジ袋を受け取らないお客さんはごく少数派なんですよね。レジ袋に5円の税金をかければ、買い物袋を持ち歩く人が増えるかしら。レジ袋受け取らないことが当たり前になって、店員さんに怪訝な顔をされないようになるといいな。 

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火 - 6月 7, 2005

私たちはどこからきたのか 


「生命はどうやって誕生したのか」という根源的な問いには、「神が作った」という創造説と、「自然にできた」という唯物論に大別できます。人間のような複雑な生物が誕生するに至る過程を、前者の創造説はまさに「神が作った」と主張し、後者は単純な生物が長い年月の間に進化した、と説明します。現代の科学はもちろん後者を支持しています…創造説は立証できないからね。いかに神を信じる人が多くても、創造説では「ぢゃ、その創造主はどうやって誕生したのか」という問いには答えられないですからね。
ところが、ここにきて第三の説「知的計画 」というのが興っているらしい。生命の誕生や進化は、何らかの知的生命(当然地球外知的生命ということになるでしょうね)が設計したのである、という説。こういうアイデアはSFでは以前からありましたが(例えばアーサー=C=クラーク著「2001年宇宙の旅」やカール=セーガン著「コンタクト」など)、近頃の遺伝子工学のめざましい進歩や、計算機シミュレーションの大規模化によって、リアリティを増したのでしょう。
確かに面白いアイデアだし、ありそうなことです。「ぢゃ、その創造主はどうやって誕生したのか」という問いは依然として残りますが、創造主たる知的生命は自然発生したのかもしれないし、創造主の創造主がいるのかも知れない。一度宇宙に生命が自然発生したら、知的生命に進化するのは時間の問題で、「知的計画」を実行するようになるかも。この説の利点は、生命の自然発生は「宇宙のどこかで1回だけ」で済むことだ(それに対してダーウィニズムでは、地球上で地球誕生後に自然発生させなくてはならない)。自然発生が地球で起きたか、それとも宇宙のどこかで起きたか、というのを比較すると、宇宙で発生したという説明にも合点がいく。
とはいえ、科学というものは客観的な事実に基づいて検証できることが必須です。知的計画を証明する客観的な事実は見つかるかしら。 

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日 - 5月 29, 2005

どっちが愛国者? 


小泉首相の靖国神社参拝に関して、中国が批判するのに反発して、安倍晋三氏が「わが国に命をささげた人たちのために靖国神社をお参りするのは当然だ」との主張している 。なるほど、一見尤もらしい見解だけど、この人の考えは底が浅いように思います。

まず、満州事変から太平洋戦争に至る十五年戦争を進めたのは日本を破滅に導く過ちであった、という観点が欠けていること。敗戦によって、日本は存亡の危機に立たされました。その政策を選択した責任者を「わが国に命をささげた人」などと呼べるのでしょうか。安倍晋三氏にとっては祖父のしたことを正当化したいのかもしれないけど、本当の愛国者なら戦争責任者を容認できないのではないでしょうか。
二点目は、侵略戦争に加担した人を「わが国に命をささげた人たち」と称賛する一方で、命がけで戦争を食い止めようと尽力した人への言及がないこと。十五年戦争が侵略であることを見抜き阻止しようとした人たちが、小林多喜二など、少数ながらいました。彼らの主張を真摯に受け止めていれば、亡国への道を避けることができたのかも知れません。真の愛国者であった反戦主義者のことを、国政に携わる人には忘れてほしくないです。と同時に、横浜事件のような言論弾圧事件の名誉回復は、一刻も早くなされるべきでしょう。私は、治安維持法の厳しい弾圧にあって反戦を命がけで主張した人たちにこそ、尊敬と感謝の意を捧げます。
三点目は靖国神社が一宗教法人であること。個人の信仰心に依って宗教施設に参拝するのはもちろん自由ですが、冒頭の安倍晋三氏の発言は靖国参拝を首相の責務だと主張しており、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」と定めた日本国憲法 第20条に反しています。

もちろん東アジア諸国への甚大な加害に触れない訳にはいかないのですが、そのことを措いて日本の国益だけを考えたとしても(そういう観点で考える人が日本には多いですからね)、靖国神社への公式参拝が問題であることが分かります。靖国参拝は表層に過ぎない行為ですが、戦争に加担した人を崇め、反対した人の名誉回復は黙殺…というのは、はたして「愛国心」と合致するのでしょうか。 

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木 - 5月 5, 2005

ITERがこなくてよかった 


そうか、日本はITER(国際熱核融合炉)の誘致を断念する のか。賢明な選択です。ITERの誘致に関しては、物理学者の間でも疑問視する声が多かった。危険でムダだからだ。核融合は夢のエネルギーと喧伝されるけど、実現にはあまりにも問題が多い。主なものは以下の通り。

1. 燃料に使う三重水素(トリチウム)は半減期12.3年の放射性物質。大量に貯蔵する場所には近寄りたくない。
2. 炉が中性子線を浴びて損傷してゆくので、耐久性が問題。
3. 高温プラズマを磁場で閉じこめるのだが、強磁場を作るのに要する電力は、核融合で生産される電力以上。ITERは発電所ではなく大量に電力を消費するムダな施設なのだ。

どうして、太陽という安全な天然核融合炉があるのに、わざわざ地上で核融合をする必要があるのか。太陽では自己重力でプラズマを閉じこめていて無駄がないし、1億5000万 kmの彼方にあって中性子線の心配は要らないし、ロスレスで地球まで届くしで、地上の核融合に比べて格段に優れている。それに比べると、ITERは無駄で危険だ。フランスには悪いけど、日本に造らないことになってよかった。 

Posted at 10:37 PM     コメントを読む/書く

















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