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大陸の東海岸に住む過酷さと四季の美しさ 



強い寒波が日本列島を覆って寒いですね。関東は乾燥していい天気ですが、大雪に見舞われている地域も多いようです。北緯35°の三鷹で、今日の最低気温は-0.4℃でした。世界の同じ緯度の海岸ではどのような気温かと見てみると、米国西海岸のサンフランシスコ(北緯38°)で10℃, 米国東海岸のリッチモンド(北緯36°)で-3℃, スペイン(欧州西海岸)のジブラルタル(北緯36°)で12℃と、同じ海岸沿いでも地域によって随分違います。大陸の東海岸(日本とリッチモンド)では寒くて、西海岸(サンフランシスコとジブラルタル)では暖かいですね。これには理由があります。
冬には大陸は放射冷却で冷たくなる一方で、海洋は熱容量が大きいので冷めにくく、温度差が生じます。冷たい大陸では大気も冷やされて下降気流を生じるので高気圧、海洋では暖かい空気が上昇気流を作るので低気圧が発生します。風は高気圧から低気圧に向かって吹くわけですが、自転している地球上はコリオリ力によって流れの向きが右側に曲がります。このため、大陸高気圧の東海岸では北西の季節風が、西海岸では南風が吹きます(図をクリック して拡大してください)。このため、冬に東海岸は寒く、西海岸は暖かいのです。


この傾向は夏には逆転します。図を見る と分かるように、東海岸では夏に南風が吹いて暑くなるのに対して、西海岸では北風が吹いて涼しいわけです。従って、東海岸では夏と冬の温度差が激しい過酷な気候になる一方で、西海岸では温度差が小さい常春の気候となるわけです。温帯の日本に豪雪が降るのも、こんなところに原因があるのですね。温度差が激しいというのは住むには過酷ですけど、そのおかげで日本の四季はメリハリがついて美しいのだと思えば、東海岸に位置することも乙なものですね。

 

Posted: 火 - 12月 13, 2005 at 11:23 PM      コメントを読む/書く


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