地図をミウラ折りにしてみよう2003年12月4日 ミウラ折りとは、宇宙科学研究所(現宇宙航空研究開発機構)の三浦 公亮 名誉教授が考案した面の折りたたみ方法で、一軸方向に伸展するだけで開閉ができるため、人工衛星の伸展機構などに応用されています。世界に誇るこの"Miura Folding"を、あなたも試してみませんか。このページでは地図をミウラ折りにする方法を解説します。 |
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ミウラ折りの地図を広げたところ |
山歩きには必携の地図、国土地理院発行の2万5千分の一地形図にはお世話になることが多いですが、市販時には折り目のついてないこの地図を、みなさんはどのように畳んでいますか?便利な折り畳み方法として、ミウラ折りにしてはいかがでしょうか。ミウラ折りにすることの長所は、以下のようなものがあります。
このような利点から、ミウラ折りにして市販されているこんな地図とかこんな地図もあるくらいです。 デメリットは、任意の場所を表にしてたたむ訳にはいかないので、畳んだ地図を見ながら歩きたいときには不便かもしれません。 |
それでは早速、ミウラ折りの手順を解説します。緑色のボタンを押してアニメーションを開始してください。
アニメーションが表示されない場合は、FLASH playe plub-inをダウンロードしてください。 |
アニメーションと同じ内容をGIF画像でも解説します。画像をクリックすると拡大。 | ||
Step1. |
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垂直方向を5等分して、水平の折り目をつけます。折り目の向きは山と谷を互い違いに。 |
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Step2. |
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さらに、斜め5.7°(磁北線の偏西角)におります。図では東にに傾いているように見えますが、偏西と偏東が交互に現れますので大丈夫です。底辺と斜辺とが為す角が倍の11.5°になるようにすればOKです。この角度は、1:5の直角三角形を作れば実現できます。 |
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Step3. |
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一旦開いて、折り目をつけ換えます。縦のラインは山あるいは谷を揃え、横のラインは山と谷が互い違いになるようにします。 |
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Step4. |
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新しく付けた折り目に従って、縦に折り込みます。ここが慣れを要するポイントです。縦に折り込むと同時に横にも折り込まれることが分かると思います。 |
折り方に慣れるまでは、重要でない紙で練習するといいでしょう。折りたたみの分割数は5×5でなくてもいいのですが、奇数にしておくとよいでしょう。国土地理院地形図の場合、地名表記が表にきます。 磁北線の偏西角は場所によって異なり、地形図には角度が記載されています。その角度だけ縦の折線を傾けるように調節してください。本州中部ならだいたい5.7°の偏西角ですので、1:10の直角三角形の斜辺がこの角度に相当します。step.2で折り込むときには、底辺にその倍の角度 (1:5の直角三角形の斜辺が張る角度)をつければOKです。 step.3 の折り目を変える手順と、step.4の折り込む手順が、慣れないと難しいかも知れませんが、ていねいに練習してください。 |
ミウラ折り中間段階 |
昭文社「山と高原地図」をミウラ折りにすると |
昭文社発行の「山と高原地図」は、地形だけでなくコースタイムや山小屋, キャンプ場, 水場などの情報が記載されているので便利ですが、市販時にすでに縦横の折り目がついていて、これをミウラ折りにしても既存の折り目が邪魔します。 試しに、水平方向の折り目はそのまま活かして(三つ折り)、縦の折り目をアイロンでリセットしてみました。アイロンはドライで温度を最低にセットします。ある程度折り目は消えるものの、完全にリセットはできません。また地図にアイロンがけというのは、縮尺が歪む危険性があるため邪道であり、お奨めはできません。これを何とかミウラ折りにしたのが左の写真です。開くのはワンタッチですが、たたむときには一瞬という訳にはいかず、ミウラ折りの長所が半減します。 オリジナルには手を加えずに、カラーコピーをとってミウラ折りにした方がいいかもしれませんね。 |