上養沢では紅葉が見事 |
武蔵境駅から中央線・五日市線と乗り継いで終点の武蔵五日市から上養沢行きバスに乗る。14h00mに終点の上養沢に到着。ちょうど紅葉が見ごろだ。
20分ほど車道を歩いてから、養沢鍾乳洞方面への山道に入る。養沢鍾乳洞付近の風景は、高校生のときに訪れた記憶と随分違っている。陽の当たる開けた斜面だったのに、今は鬱蒼とした杉林だ。まあ、18年も経てば杉も育つであろう。空には雲が出てきて天気がやや心配。予報では夜半過ぎから晴れるはずだが… |
そういえばあの時は背負子に赤道儀やカメラと三脚、それにテントなどを詰め込んで、30 kgはある荷物を担いで苦しみながら登ったっけ。バス停に着いたときにすでに夕暮れで、電燈を頼りに山頂を目指したのを思い出しながら、歩みを進める。道は良く整備されていて、あっけなく15h30mに山頂に着いた。山頂の視界の良さや東屋は相変わらずだ。それにしても天気が心配。 |
日ノ出山頂の東屋と東方向の眺め |
東京方面が開けすぎているので光害を受けるのだが、しし座群の輻射点は東から昇るので、あえて東の視界が開けた山を選んでいる。山頂にテントを設営して夜に備える。数名いたハイカーは次々と下山して一人になった。夕食を摂り、一旦眠りに就く。寝過ごさないようアラームを22h30mにセット。 |
山頂にテントを張って夜に備える |
人の声で目が覚める。流星を眺めようという人達が暗やみの中を登ってきたようだ。23h頃には山頂には十数名が集まっていた。そろそろ輻射点が昇ってくる時刻だが、雲が邪魔をする。やり切れない気分になる。「晴れてくれ」の願いは、この山頂にいる人、いや、全国で空を見つめている人達に共通の祈念だろう。すると、2hを過ぎた頃北側のスカイラインと雲の間から星が見えてきた。そのすき間に流星が飛ぶ。徐々に星の点在する立体角が優勢になってきて、2h30m頃には雲量ゼロだ。すごい、次々に流れる。時には5個くらいが同時に出現する。それに痕を残すものが半数くらいと多い。2時台に600個、3時台に700個、4時台に400個もの流星をカウントした。もちろん生まれて初めての体験。 |
流星雨が朝焼に溶けてゆく |
輻射点が天頂近くに昇る頃、東の空が明るくなってきた。この流星雨もいよいよ幕を閉じようとしている。この3時間は一生忘れることのできない経験となった。晴天と流星雨、そして勇気をもって予測を発表してくれたアッシャー博士に感謝。テントをたたみながらも、薄明に負けない明るい流星を目で追い続ける。 |
上養沢で始発のバスに乗る |
朝日を浴びて山を降りる。夢を見ていたような気分だが、今日は月曜日であり、現実に戻って出勤しなくてはならない。上養沢に7h00mに到着し、始発のバスで職場に向かった。 |