九鬼山

九鬼山 山行記録

2005年10月1日


大月の南に位置する九鬼山 (970m) は、富士急行線禾生駅から歩いて1時間30分程で登れる手軽な山で、秀麗富嶽12景にも挙げられている展望の良い山だ。アクセスが容易でいつでも気軽に行ける山なので、寝坊した日のためにバックアップと考えていた。目覚めたら6時を過ぎていた好天の日に、九鬼山から御前山を経て猿橋駅に至るルートを歩いてみた。

禾生駅9h45m → 九鬼山11h47m /12h22m→ 馬立山13h43m → 御前山14h25m → 猿橋駅15h22m

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九鬼山を見上げる

九鬼山を見上げる

武蔵境8h13mの中央線快速に乗り、立川で8h44m発の「ホリデー快速河口湖」に乗換える。この列車は特急の車両で座席がゆったりしていてお徳感が高い。禾生に9h45m到着。国道139号線沿いをリニアモーターカー実験線に向かって進むと、右手にめざす九鬼山が大きく見える。レンガ造りの水道橋をくぐり、左手に折れるとそこが登山口だ。

レンガ造りの水道橋

レンガ造りの水道橋

ナンテンハギ

ナンテンハギ

杉山新道コースを右に分け、九鬼神社方面へと歩みを進める。登山道に入ると気温が数度低く、ひんやりと気持ち良い。道がジメジメとしているのは朝露の名残かな。道端にはツリフネソウやナンテンハギがあちこちに咲いていて、まだ夏山の雰囲気が残っている。ヒラヒラと舞うアサギマダラも夏の名残のようだ。

アサギマダラ

アサギマダラ

たわわに実ったアケビ

たわわに実ったアケビ

一方で、アケビがたわわに実っているのを見つけて秋らしさも実感する。3個ほど収穫させていただきました。

少し頂きました

少し頂きました

ジョロウグモのつがい

ジョロウグモのつがい

人の背より高いところに、ジョロウグモの巣が多数張ってある。巨大な雌と矮小な雄が同居しているが、別に仲の良い夫婦というわけではないらしい。雄は交尾することだけが目的で雌のスキを伺っているのだ。ヘマな雄は雌に食べられることもあるとか。ちょうど、雌が獲物を捕えて食事しているところに雄が交尾しにくるのを見つけた。どうやらこの雄は食われることなくコトを成し遂げたようだ。おめでとー。

交尾を無事済ませた雄

交尾を無事済ませた雄

おいしそうなキノコ

おいしそうなキノコ

つづら折れの急登に取り付く。ヤマナシ(?)の実やキノコを見つけては写真を撮ったり、道草を食ってばかりなので、歩みは極めて遅い。

ヤマナシかな?

ヤマナシでしょうか?

ヤマボウシの実

ヤマボウシの実

ヤマボウシの実がたわわになっているのを見つけた。この実は食べられる。熟したのを一つ採取する。パサパサしているけどリンゴのような味と香りを楽しんだ。

ひとつ頂きました。

ひとつ頂きました。

富士山の眺め

富士山の眺め

急坂登山道と新登山道との分岐に11h02mに到着。急登が好きなので急坂登山道を選択するが、粘土状の土壌が滑って転倒してしまい、右ひじが泥だらけになってしまった。まあ、乾けば落ちるでしょう。
急坂をこなすと、富士山の方向が刈り払いされている展望ポイントに到着。シルエットの富士山がよく見える。

富士山をズームアップ

富士山をズームアップ

天狗岩からのパノラマ

天狗岩からのパノラマ

その先に、「天狗岩」方面を示す道標がある。地図にはないが、展望が良いらしいので行ってみる。3分ほど斜面をトラバースすると、大岩の上にでた。確かにここからの眺めは絶景だ。富士山や三ッ峠山や滝子山などの山容が望め、足元には桂川沿いの谷が続いている。十分に眺めを楽しんでから登山道に戻り、九鬼山をめざす。

リニアモーターカー実験線

リニアモーターカー実験線

11h43mに富士見平に到着し、杉山新道と合流する。ここも富士山を望む展望ポイントで、中年のグループが休憩している。標高970mの九鬼山山頂はここからわずか3分で到着。
単独の若い女性がいるだけで、静かな山頂だ。昼食の準備をしているうちに彼女が出発したので山頂を独り占め。例によってサラスパを茹でて、プチパスタ・アラビアータソースをかけて食す。大菩薩連嶺の眺めを堪能していると、単独の中年男性が到着した。倉岳山方面から歩いてきたそうで、それはお疲れさまでした。

九鬼山頂からの展望

九鬼山頂からの展望

電波望遠鏡のようなキノコ

電波望遠鏡のようなキノコ

12h22mに出発し、猿橋方面をめざす。急坂を下ったコルで、諏訪神社方面への道を右に分けて札金峠方面へと下る。北側斜面はジメジメとしているためか、至るところにキノコが群生している。

いたるところにキノコ

いたるところにキノコ

巨大キノコ

巨大キノコ発見。比較のため500 mlのペットボトルを脇に置いた。

この下りで、キノコ狩りの男性に出会った。30リットルくらいのポリ袋には収穫したキノコがどっさり。聞いてみると、サクラシメジだという。あちこちに多数見かけるキノコで、食用だったのか。「美味しいんですか?」と聞いてみると、「まあ、自然のものだからねぇ」と言葉を濁していた。

サクラシメジ

サクラシメジ

紺屋の休場からの展望

紺屋の休場からの展望

ほぼ平な道を進むと「紺屋の休場」という刈り払いされた原に到着。真正面に高川山が望まれる。こういうところに幕営するのは気持ちいいだろうな。ここで真っ赤に染まったアキアカネを見つける。羽を取ったらトウガラシになりそうな色合いだ。赤とんぼは警戒心が薄いので、よい被写体になるな。

深紅のアキアカネ

深紅のアキアカネ

シジュウカラ

シジュウカラ

13h05mに田野倉へ下る道を左に分け、稜線沿いを北上する。5分ほど進むと札金峠を通過。ここから馬立山へ、結構きつい登りだ。道の両脇にススキが生えていて秋らしさを感じさせるが、葉は刃物のように鋭いので、腕に傷を付けないよう注意して歩く。

立ってしまった

飛び立ってしまった

ツリバナ

ツリバナ

標高797mの馬立山山頂に13h43mに到着。樹木の覆われた展望のない山頂なので、先を急ぐ。沢井沢ノ頭を14h07mに通過。菊花山への道を左に分け、御前山へと進む。

オオカメノキ?

オオカメノキかな?

御前山からのパノラマ

御前山からのパノラマ

岩場で展望の良い御前山に14h25mに到着。ここで中年女性二人組に出会った。気さくな人たちで、山座同定など話が弾む。美味しいリンゴを二切れもご馳走になりました。ありがとうございます。

あとは猿橋へ向けて降りるだけなのだが、一応神楽山にも寄ってみる。山頂をCATVの中継アンテナが占拠する、たいして面白みのないピークだが、ここでであったカマキリの表情が面白かったのでよしとしよう。

こっち見んじゃねーよ

カマキリとにらめっこ

アオダイショウの幼蛇

アオダイショウの幼蛇

神楽山からの急な下り坂を降りてゆく途中で、アオダイショウの幼蛇に出会う。可愛い姿を撮りたかったのに、逃げ足が速くて(足はないですが)手ブレした写真しか得られなかったのは残念だ。

ツリフネソウの群落

ツリフネソウの群落

15h16mにツリフネソウの大群落を抜けると車道に出て、この日のハイキングも終了。百蔵山や扇山の山容が立派に見える。猿橋駅まで歩いて、15h29m発の中央線で帰途に着いた。

百蔵山〈左)と扇山(右)

百蔵山〈左)と扇山(右)


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初出 : 2005年10月2日

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