開聞岳

開聞岳 山行記録

2005年5月28日


開聞岳は標高は924 mとそれほど高くはないけど、「薩摩富士」の異名を持つトロコニーデの山容が美しい山だ。薩摩半島南端のキワに立ち、海岸線や屋久島の眺めが素晴らしいと聞く。指宿枕崎線の開聞駅から歩いていけるアクセスの良さも嬉しい。登山口から山頂まで螺旋状に登山道が付いているのもユニークで、四方の眺めを楽しみながら登っていけることだろう。鹿児島に住むようになったからには、最初に登ってみたいと、休日の午前中を利用して訪れてみた。

開聞駅6h33m→ 開聞岳登山口7h00m → 開聞岳山頂8h42m/9h00m → 開聞岳登山口10h25m → 開聞駅11h00m

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車窓から眺める開聞岳

車窓から眺める開聞岳

指宿枕崎線の始発列車に乗って南へ向かう。沖縄の「ゆいレール」が開通するまでは日本最南端だった、鉄道マニアの間で有名な路線で、素晴らしい海岸線の車窓を眺めながらの旅にワクワクする。途中の指宿で列車を乗換え、JR最南端の駅である西大山の辺りではめざす開聞岳の姿を見上げるとやる気が出てくる。

開聞駅で降りたのは私一人だけ。小さな町を抜けて登山口へと向かう。「天の岩屋」として奉られている岩窟の脇を通りすぎると、スキー場(ただしグラススキー)のリフトが見えてきた。ゲレンデ脇の舗装路を登り詰めると、そこが登山口だ。

グラススキー場

開聞岳でもスキーができます

登山マップの鏡像(?)

登山マップの鏡像(?)

登山口のベンチで小さなカタツムリを見つけた。この殻の渦巻きが開聞岳登山道の案内をしてくれているのかしら…と思ったけど巻き方が逆向きでした。登山道を開設した人が、カタツムリの特許に抵触するのを避けたのかな。

緑濃い登山道をゆく。鬱蒼として湿潤とした森の中を歩くのは気分が落ち着いて心地よい。意外にも不快な虫がほとんどいなくて嬉しい。切遠しになっている場所では火山礫の層が見られ、開聞岳が噴石で形成されたことがよくわかる。やがて、「2.5合目」の標識とベンチ。以後、3合目, 4合目, …と標識が設置されている。登山口が2合目だったことから、ペースが掴みやすい。比較的緩やかな傾斜で、だいたい1合当たり10 - 15分ほどのペースで快調に進むことができる。

緑濃い登山道

緑濃い登山道

花期を過ぎているためか、森は色彩に乏しい。ノリウツギの白い花がせめてものアクセントだ。5合目の手前で、森が途切れて海岸線を見下ろせる場所がある。霞んで見通しは良くないけど、長崎鼻やその向こうの錦江湾を見渡すことができた。

仙人洞

仙人洞

7合目を過ぎたところにも南東側に向いた展望台があるのだが、あいにくガスのため展望がゼロだ。この辺りから岩場が随所に現われる。苔が露を含んで滑りやすく、慎重を要する。8合目の手前には「仙人洞」という洞窟があって、山伏たちが修業を行った場所であるという説明看板が設置されていた。

岩場にはハシゴも

岩場にはハシゴも

9合目を過ぎるとハシゴ場も現われる岩場だ。標高1000mに満たない山で岩場歩きができるのは楽しい。さぞ展望の良い場所だろうから、晴れた日にはもっと楽しめるのだろうな。

8h42mに山頂に到達。ガスで周囲はほとんど見えないが、方位盤には南方の屋久島や種子島、北方の桜島や霧島の眺めが記されている。結構気軽に来れることが分かったのだから、日和見で好天の時にまた来よう…と、早々に山頂を後にする。

展望はおあずけの山頂

展望はおあずけの山頂

展望台から見下ろす海岸線

展望台から見下ろす海岸線

滑りやすい岩場に脚を取られながら下ってゆくと、8合目あたりから視界が得られるようになってきた。展望台から足元に展開する海岸線の眺めが見事だ。ここの岩に腰掛けて、のんびりと時間を過した。

7合目より下ると、この時間に登ってくる多くの人とすれ違うようになる。午前中に降りるなんて少数派なのかな。まあ、おかげで静かな山歩きを堪能できました。

ノリウツギ

ノリウツギ

ヒバカリの幼蛇

ヒバカリの幼蛇

もうすぐ登山口に到着というところで、ヒバカリの幼蛇に遭遇。必死に逃げるところを、写真を撮るためにしつこく追いかけてごめんね…唯一見つけることができた小動物だったもので、つい。

10h25mに登山口に到着。あまり展望が得られなかったけど、気軽に訪れることができると分かったので、「今度こそ!」は天気の良い日を選んで来てみたい。山頂だけ雲を戴いた開聞岳の山容を眺めながら開聞駅までのんびりと歩いた。11h18m発の指宿枕崎線に乗って帰途に着く。

「今度こそ」

開聞駅付近でよく見かけた看板


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初出 : 2006年6月11日

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