この冬一番の冷え込みとなった朝に、好天を期待して出発。青梅線の数少ない乗客はほとんどが登山者の恰好だ。奥多摩駅前のバスターミナルに停車中の鴨沢行きバスに乗り込んで寒さに震える。 奥多摩湖で降りたのは私だけ。小河内ダムの堰堤を渡って御前山登山口に向かう。湖面から吹く風が冷たい。 |
登山道には1-2cmの積雪。場所によっては固く締まって滑りやすい。アイゼンの足跡も雪面に見られるが、所々で露出している木の根を傷つけたくないのでアイゼンは着けない。慎重に歩けば大丈夫だろう。ミズナラなどの広葉樹の植生の中、しばらく急登が続く。後ろから初老の男性が追いついてきたので先に行ってもらう。 |
稜線を登ってきたら奥多摩湖より暖かくなってきた。やはり谷間では放射冷却が効いていたのだろう。 サス沢山を過ぎると傾斜は緩やかに。北面は杉の植林になる。やがて、登山道の両側にロープが張ってある場所に出る。カタクリの自生地で、植生保護のためだ。4月にカタクリの花を見に来てみたいと思う。 |
惣岳山の手前に北西面の眺めが良い展望台があり、雲取山まで石尾根が一望できる。北東には日光連山が、西には甲斐駒が顔を覗かせるのを見て、山おたくの血が騒ぐ。御前山の直下からは富士山の眺めが素晴らしい。 |
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御前山に10h17mに登頂。山頂には立ち木が多くて展望が利かない。標識の写真を撮っていると、食事をしていた先行の初老の男性が「撮ってあげようか」と言うのでシャッターを押してもらう。食事中なのに恐縮です。 |
御前山の東側斜面は5cmくらいのさらさらとした残雪があり、下り坂でも膝を痛めずに済む良い緩衝材である。クロノ尾山への登り返しを過ぎてまた下り。細かいアップダウンを繰り返して鞘口山に11h12mに到着。あれ、コースタイム35分のところを55分かかっている。そんなに遅かったかなぁ。地図のコースタイム(昭文社 山と高原地図「奥多摩」2003年版)、おかしくないですか?大ダルの手前にある避難小屋に11h30m到着。シャリバテ気味なので、ここのテラスでチーズフォンデュの昼食にしよう。今回は茹で野菜に定番のアスパラガスに加えて菜の花を用意した。うん、ほろ苦い菜の花はチーズによく合う。あっという間に平らげてしまった。 |
通行止めの車道を横切る大ダワの峠を過ぎ、大岳山へ向かう。予定より遅れているので鋸山はパス。南西方面の開けた斜面からは御前山を振り返る事ができ、さらに丹沢の山波も一望できる。しばらくは眺めの良いほぼ平坦な稜線歩きが続くが、徐々に雲が出て、日差しがなくなってきた。 |
階段状ピラミッドのような形をした大岳山の山頂直下にたどり着き、かなりの急登を二回に分けてこなすと山頂だ。13h23mに登頂。南面の眺めが素晴らしく、相模湾から丹沢・富士山・御前山の山並が格好良い。 |
夫婦らしきパーティが二組休憩している。そのうち一組がパンを撒いて野鳥をおびき寄せている。ヤマガラ, ゴジュウカラ, コガラ, イワヒバリ(?)がすぐ近くに遊びにきて楽しい。バードウォッチングをしながらドリップコーヒーを堪能する、至福のひととき。 |
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丹沢方面に雲がかかり始めたと思ったら頭上にも展開し、やがて白いアラレが舞い落ちてきた。大降りにはならないだろうが、山の天気は変わりやすいものだ。13h45mに山頂を後にする。 |
ここからは白倉に向けてまっしぐらに下る。南向きの尾根道なので、雪はほとんど融けて落ち葉の降り積もる乾いた道となっており、歩きやすい。北側から登って南側を下るというコースを採ってよかった。やがて白倉集落の中を歩き、バス停に15h00m到着。15h08mの武蔵五日市行きバスで帰路に着く。 |